つきたい嘘。
『今日は、薔薇のお風呂にする〜♪』 うきうきしてる私に
「いい香り、するかなぁ?」と、母。
『どうかなぁ〜?』 と、言葉をにごしながら..
もちろん、いただいたときから 香りはチェック済み。
香りなんて、何もない。
その象徴である、トゲすらない。
お花屋さんの薔薇は、形だけの薔薇だから。
香りに誘われて 鼻を近づければ、先客(みつばち)がいたり
思わず近づいた途端、スカートの裾をトゲに引っかけられたり
不用意に触れて、指先をトゲで突かれたり..
雨に打たれて、花びらにシミがあろうが
風に吹かれて、花首が曲がっていようが
お日さまの下で、咲く薔薇は
誇らしげで 生き生きとしてて、神々しいまでに 美しい。
香りをなくしてしまった薔薇に、人工的な香りを足してみた。
花びらだけになって、ようやく薔薇らしくなったような気がした。
所詮、嘘かもしれないけど
わかってて、つきたい嘘もある。
by keko_m | 2007-02-02 01:39 | * rose