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『イン・ハー・シューズ』

『イン・ハー・シューズ』_a0027742_0212852.jpgずっと観たかった『イン・ハー・シューズ』
やっと観てきました♪

キャメロン主演だし
ファッショナブルで、ポップな
女同士の 心を触れ合う物語かと
軽い気持ちで 観に行ったら
予想外の感動に包まれて、涙がぽろぽろ。

女性には、共感できるところが
いっぱいあるはず♪
オトナの女性、必見。*・゜☆




*

女きょうだいがいたら、どんな感じだろう..?
ちっちゃな頃から、ずっと思ってた。
いろんなこと、何でも話し合えて楽しい..?
比べられたり、意識しすぎたりして、つらくなる..?

私には、兄がひとりいる。
明るくて、器用で、何でも出来て、みんなの人気者で..
ちっちゃな頃から、兄に憧れつつ
決して、兄には近づけない 自分がいた。

幼い頃、色が白くて、唇の色も赤くて、目が大きかった兄と比べて
「男と女が逆だったら、よかったのに..」と
何気なく、母が言ったことを覚えている。
容姿にコンプレックスを持ったのも、そのころから..。

それでも、女の子は 私一人だったから
『女の子』として、父や母は 可愛がってくれた。
兄弟関係のコンプレックスって、のちのちのその人の性格にも
かなりの影響を 与えてるような気がする。

さて、『イン・ハー・シューズ』に話を戻して..

姉のローズは、頭のよさがすべて..
それが生かされ、充実した毎日を 過ごしてるように見えて
実は、容姿には 果てしないコンプレックスを持っている。
でも、ある人と出会ったことから、オンナとして生きたくなった。

妹のマギーは、スタイルのよさが自慢..
オンナに頼って、自分の生の証を 性とすり替えて
なんとなく、気ままに生きてるみたいに見えてるけど
LD(学習障害)により、どの仕事も長続きせず、自己嫌悪に苛まれる毎日。

ケンカしながらも
それぞれを認め合って、過ごしてきたのに
妹が、姉の「大切な人」と「寝た」ことから
事態は、一変する。

よく考えれば、誰とでも たやすくそうなっちゃうオトコが悪いんだけど
オンナの場合、とかく矛先は 同性に向きがち。

継母にも疎まれ、姉にも追い出されて、行き場をなくしたマギーは
ふとしたきっかけから、死んだと思っていた祖母が生きていることを知り
祖母のいるフロリダに行くことにする。

祖母が勤めていたのは、老人ホーム。
マギーの武器である、オンナが生かされない世界。
そこで、いろんな人と出会いながら
マギーは、コンプレックスを乗り越え
自分のやりたいことを、見つけていく..。

一方、妹が出ていった後、仕事もやめてしまったローズは
犬の散歩をしながら、無邪気な自分らしさを 取り戻していく。
そして、かねてからアプローチしてきた男性と愛を育み
一見、幸せな毎日に見えるのだが..。

*

『イン・ハー・シューズ』とは
「彼女の立場になって」という意味の 慣用句だとか。

自分の足にびったりの靴って
あるようで、実はなかなか 見つからないもの。

・憧れて買い集めたものの、履くことが出来ずに 並べられた靴。
・姉の靴を借りたものの、うまく履きこなせない靴。
・それぞれがヒールを脱ぎ捨て、スニーカーで自分を取り戻していく姿。
・大切な日に、祖母から貸してもらった「サムシングブルー」の靴。

いろいろな場面で、象徴的に靴が出てくる。

それぞれの武器だった、「オンナ」や「アタマ」を捨てて
それぞれが、自分らしさを取り戻していく過程が
とても丁寧に描かれていて、共感出来た。

姉妹が、亡き母親との思い出や事実を通して..
それぞれの気持ちに気づいていく場面は、きれいすぎるけど
期待を裏切られないで、安心して見ることが出来たかも。

さりげなく、温かいエピソードが鏤められていて
くすくすっと笑ったり、ほっとしたり、ほろりとしたりする。
うまいんだけど、あざとさを感じさせず、自然に入ってくる感じ。
こんなに心を揺さぶられた映画って、久しぶりかもしれない。

ファッショナブルな靴やファッションを見るのも、楽しみのひとつかな♪

オトナの女性は、必見(!)だけど
男性の感想も、聞いてみたかったりします。
ぜひ。*・゜☆

by keko_m | 2005-11-29 00:32 |  * movie