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記憶。

その人が誰だか、よくわからないけど..
いつも、自分のことを大切にしてくれて
一緒にいると楽しい存在だと感じてた。

その人に振り向いて欲しかったけど
どうしたらいいのか、よくわからなかった。
思いが、うまく声にならなくて..
でも、泣くのとはちがうと思ってた。

その人の後ろ姿は、すぐそこにあるのに
そこまで、動いていくことができない。
手を伸ばして、必死にもがいてた。
『私に気づいて..』
『こっちを見て..』




これが、私の生まれて初めての記憶。

ぴーちちゃんのとこで、生まれて初めての記憶が
その人の「今」に繋がってたり、象徴してたりすると聞いて
なるほど.. と思った。

一番初めの記憶.. というか
それを忘れなかった.. ということに、意味があるような気がして。

自分の思いをうまく伝えられないもどかしさや
すぐそこにあるのに、手に入らないジレンマ.. みたいなものは
今も感じることが多いかな。


その人.. は、私のお兄ちゃん。
まだ言葉も話せなくて、ハイハイをし始める頃の記憶..なのかな。
少し大きくなってから、この話をすると
そんな小さな頃のこと、覚えてるわけない.. って
よく、人に言われてきたけど。

兄は、私が生まれたことを喜んで
とても、大事にしてくれたらしい。

抱っこして、頭をなでなでしてもらってたり
ほっぺをぴったりとくっつけて、笑ってたり..
残ってる写真を見るだけでも、大切にされてたことが伝わってくる。

兄は、スーパーに買い物に行く度に
その辺りにいる、知らないおばさんたちに
「おばちゃん、見て見て♪
 ぼくのとこの赤ちゃん、かわいいでしょ?」と
自慢して、見せびらかしていたらしい。
今じゃ、こんなになってしまったけれど..(笑)

ちなみに、兄の生まれて初めての記憶は..
私が生まれるとき(4/5)のことで
桜の花が満開で、とてもきれいだったのだとか。

この話を、初めて聞いたとき
ただもう、それだけで
私は、生まれて来てよかったな.. と思った。

by keko_m | 2008-01-25 01:48 |  * profile